イコライザーを使ったノイズ除去の方法

マイクで歌を録音したときなど、不要な音であるノイズが入ってしまうことがあると思います。

「サーーー」とか、「ブゥーーーン」という感じの音が、ずっと入ってしまっている場合、歌声など残したい音と重なっていることがあります。

こんなとき、どのようにしてノイズを取るか、最初は対処法がよく分からないと思います。

僕も、はじめはそのようなノイズが入ってしまったとき、どう対応すれば分かりませんでした。

 

しかし、いろいろと調べていくうちに、「イコライザ」というエフェクターを使って、ノイズを軽減できることがわかりました。

エフェクターは、音声に効果や加工を与えるものです。

イコライザはその中で、音の高さを表す周波数に対して音量を調整できるものです。

 

これを使えば、残したい音とノイズが重なっている場合でもノイズの音量を小さくできます。

そこで今回は、Cubaseにおけるイコライザを使ったノイズ除去について説明します。

 

イコライザによるノイズ除去の方法

ノイズ除去をするとき、歌声などの残したい音がノイズと分離している場合、「ノイズゲート」というCubaseの機能で対応することができます。

しかし、今回のパターンでは、残したい音とノイズが重なっているため、この方法は使えません。

 

そこで、イコライザを使います。

イコライザは、特定の周波数の音だけ、音量を調整することができます。

ずっと音が鳴り続けているようなノイズの場合、ノイズが一定の周波数であることが多いです。

そのため、ノイズの周波数を見つけ、その周波数の音量だけイコライザで小さくします。

これによって、ノイズを軽減することができます。

 

今回のご紹介する方法で、ノイズ除去をすると、下記のような音声になります。

(イヤホンか、ヘッドホンで聴くと分かりやすいです。)

ノイズ除去前(サーーーという音が入っています)

ノイズ除去後

「除去」と言えるほど完全に取り除けているわけでは無いですが、かなりマシな状態にすることができます。

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Cubaseでの操作方法

それでは、Cubaseを使ったイコライザによるノイズ除去方法を説明していきます。

1.オーディオファイルを読み込む

まず、ノイズ除去したい音声となるオーディオファイルをCubaseに読み込みます。

上記の様に、音声の波形(なみの形)が表示されるようにしてあればOKです。

オーディオファイルの読み込み方法については、下記の記事で詳しく説明しています。

「Cubaseの使い方【入門編】オーディオファイルの読み込み」

 

2.イコライザを起動する

次に、イコライザを起動します。

まず、ノイズ除去を行うトラックを選択します。

トラックは、Cubaseでの編集単位です。

下記、赤枠内をクリックします。

次に、画面左側にある「e」マークをクリックします。

そうすると、下記の様に、エフェクターの設定を行う画面が出てきます。

赤枠内が、イコライザの設定を行う部分です。

イコライザでは、後述する下記の赤丸内のポイントを動かして、調整を行います。

このポイントを右側に動かすほど高い周波数、左側に動かすほど低い周波数を調整できます。

そして、ポイントを上側に動かすほど音量が増幅され、下側にするほど音量が減衰されます。

増幅・減衰することを、それぞれゲイン・カットとも言います。

実際に使用するときは、以下のような感じで設定します。

ポイントは最大、4箇所まで指定できます。

今回はノイズ除去をするので、ある周波数の音をピンポイントで減衰させます。

 

3.除去したいノイズの周波数を見つける

次に、除去したいノイズの周波数を見つけます。

 

まず、下記のように、イコライザの画面下の電源マークをクリックし、緑色に点灯させます。

そうすると、上の方に調整用のポイントが表示されます。

次に、下記赤枠内の表示が「Parametric I」になっていることを確認します。

なっていなければ、赤枠内をクリックして、それらを選択しておきます。

「Parametric(パラメトリック)」とは、「パラメータの」という意味です。

これは、ポイントで指定した周波数のパラメータに対して、音量を増減できるモードのことです。

他にも、いくつかイコライザを使うモードがあります。

ただ、今回の内容の範囲を超えてしまうため、ここでは詳細は割愛します。

「Parametric II」もありますが、こちらは「Prametric I」よりも、より限定した範囲の周波数の音量を増減できます。

ひとまず、「Prametric I」で大丈夫です。

 

また、下記赤丸内の緑色の部分をクリックしたまま、左右に動かすと「Q値」という値を調整できます。

「Q値」とは、「Quality factor」のことで、イコライザによる影響範囲を調整することができるものです。

例えば、下記のように右に動かすほどQ値は低くなります。

これによって、指定した周波数の左右広い範囲の周波数の音量を増減できるようになります。

逆に、左に動かせばQ値は高くなり、指定した周波数に絞って音量を増減できます。

今回は、音量を押さえたいノイズの周波数だけに限定したいため、上記のようにQ値は高く設定します。

ノイズにもよりますが、10から12くらいの数値にしておくといいです。

Q値のところをダブルクリックすれば、直接キーボードでも数値を入れることができます。

 

次に、ノイズ除去する音源を再生しながら、下記の様にポイントをクリックしたまま右側にスライドさせていきます。

黄色枠の辺りは、指定した周波数の音量を増大させるエリアです。

ノイズの周波数と一致する所にきたら、ノイズ音だけがとても強調されます。

「ブゥーーーン」とか、「シャーーーー」という音が大きくなります。

そのような場所に来たら、そこノイズの周波数です。

これにより、除去すべきノイズの周波数を特定します。

 

3.ノイズを減衰させる

ノイズが強調される場所でクリックを離し、下記の用に上下反転ボタンを押します。

そうすると、イコライザは、下記のような画面になります。

先ほどはノイズが強調されていましたが、今度はその音が減衰されます。

これによって、指定したノイズの周波数だけ音量を落とすことができます。

これで、例えば歌声やギターの音とノイズが重なっていても、ノイズの音だけを目立たなくさせることができます。

 

あとは、必要に応じてQ値を調整します。

ノイズによっては、ある程度幅を持たせた方がいい場合もあります。

 

また、減衰させる音量レベルは、あまり大きくしすぎると、本来の音に影響を与えてしまう可能性があります。

イコライザのポイントを上下させて、必要に応じて減衰させる音量レベルを調整します。

 

4.プリセットを活用する

ノイズは、録音時から入らないようにするに越したことはありません。

しかし、すぐに対応できない場合もありますよね。

 

同じ機材や環境で録音した場合、同様のノイズが毎回入ることになります。

その都度、同様の手順を踏んでいるとけっこう手間です。

そこで、プリセットの機能を使って、イコライザの設定を保存することができます。

 

まず、イコライザの右上にあるひし形のマークをクリックします(下記)。

「プリセットの保存」を選択します。

いい感じに名前をつけて、「OK」を押します。

これで、自分で作ったイコライザ設定が保存されます。

 

次に、保存した設定を読み込むときは、下記のようにイコライザの右上のひし形のマークをクリック。

いい感じに名前をつけた、プリセット名を選択します。

そうすると、保存したイコライザ設定を読み込むことができます。

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まとめ

ここまで説明してきたように、イコライザを使えば、本来の音にノイズが重なっている場合でも対応することがきます。

 

完全にノイズを取りきることができるとは限りませんが、かなり目立たなくさせることが可能です。

是非、試してください。

 

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