ドラムパートって、通常のメロディの打ち込みと勝手が違うところがあるため、最初は戸惑うこともあると思います。
僕も最初、ドラムパートの打ち込みがよく分からず、手探りでやっていました。
しかし、現在は何曲も作曲する中、ドラムパートの打ち込みが上手くできるようになりました。
今回は、ドラムパートの打ち込みや、ドラムマップやドラムエディターという便利な機能について説明します。
↓記事と同じ内容を、動画でも説明しています。真ん中の再生ボタンより、ご覧下さい。
ドラムパートの打ち込み
まず、ドラムパートの打ち込みについてですが、これは通常の楽器の打ち込みと大きく違うところがあります。
通常の楽器の場合は、音程の変化のあるメロディを打ち込んでいく形となります。
しかし、ドラムパートの場合は音程の変化が無いため、音名そのものに楽器が割り当てられています。
音名は、作曲ソフトでは「C1、D1、E1、F1、G1、A1、B1」などと表されているものです。
これは、「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」に対応します。
「C」などの書き方は、アメリカ式の音名(おんめい、音の名前)表記です。
作曲ソフトでは、アルファベットの後の数字が大きいほど、音程が上がり、数字が小さいほど音程が下がります。
また、「ドレミ…」の方は、イタリア式表記です。
多くの作曲ソフトでは、アメリカ式表記が使われています。
アメリカ、強いですね!
ドラムは、ドラムセットと呼ばれる様々な楽器が一緒になったものです。
そのため、音名毎にドラムセットに入っている楽器が割り当てられています。
「C1」は「バスドラム」、「D1」は「スネアドラム」といった具合です。
また、音名によっては何も楽器が割り当てられていないものもあります。
これは、全ての音名の数分、ドラムセットの楽器の数が無いからです。
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便利なドラムマップ
ドラムマップの入力画面
音名によって楽器の音が変わったり、何も割り当てられていなかったりすると、何がどうなっているのかイマイチわからないですよね。
僕も最初は手探りで、「C1の音はバスドラムか」などと、音を鳴らして確認していました。
しかし、それぞれの音名に何の楽器が割り当てられているのか、一覧で確認しながら打ち込むことができる機能があります。
それが、ドラムマップです。
また、ドラムマップによってドラムを打ち込む画面のことを、「ドラムエディター」と言います。
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標準的なドラムマップ「GM Map」
ドラムマップは、自分で作ることも出来ますが、標準で入っているものもあります。
それが、「GM Map(ジーエムマップ)」というものです。
「GM」とは、「General MIDI(ジェネラル・ミディ)」の略です。
これは簡単に言うと、MIDI音源のメーカー間で標準化された、MIDIにおける音色の割り当ての規格です。
MIDIは、電子楽器で通信をするための規格であり、打ち込みのデータを保存するときの規格でもあります。
MIDI音源のメーカー毎に、好き勝手にドラムの楽器の割り当てをすると、違うメーカーの音源を切り替えたときに意図しない音になってしまいます。
GM Mapはそのために作られた、標準のドラムマップと言えます。
MIDIには、チャンネルと呼ばれる複数の楽器を識別できるものがあります。
MIDIでは、10チャンネルがドラムパートの専用チャンネルとなっています。
これは、ドラムパートは他の楽器と毛色が違うので、分かりやすくするためと思います。
そのため、GM Mapを使うときは、MIDIの10チャンネルを使用します。
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ドラムマップの使い方
以下、Cubaseでのドラムマップの使い方を説明します。
MIDIトラックを作る
打ち込みができる状態にする
まず、上記の様にドラムパートの打ち込みができる状態にしていおきます。
以下の記事を参考に、打ち込みを行うための「MIDIトラック」を作成します。
トラックは、Cubaseで打ち込みや編集を行う単位です。
下記の記事の手順と、変える必要がある部分は、次に説明します。
音色の設定
今回は、GM Mapを使って説明をしていきます。
GM Mapの場合は、打ち込み時にMIDIの10チャンネルを使います。
そのため、音源の設定時、下記のように10チャンネルを使用します。
音源の選択時は、検索キーワードに「drum」と入れると該当する音色が出てきます。
ここでは、「[GM 134]Rock Kit」を選んでみます。
音色によっては、GM Mapと割り当てが一致していないものがあります。
ですが、「[GM ○○]△△」のような音色は、同じGM準拠で作られているので、GM Map通りの楽器割り当てになっています。
MIDIトラックのチャンネル設定
また、MIDIトラックは下記のように10チャンネルを指定しておきます。
本当は、この設定をしていなくても、GM Mapの方で勝手に10チャンネルにしてくれます。
ですが、混乱しないように、統一しておくのがオススメです。
自分でドラムマップを作る場合は、特にチャンネルを意識する必要はないです。
ドラムマップが使える状態にする
次に、下記のように「ドラムマップなし」と表示されているところをクリックします。
そうすると、選択できるドラムマップが出てきます。
はじめは、元々用意されている「GM Map」しかありません。
ここで、GM Mapを選択します。
そうすると、先ほど「ドラムマップなし」となっていたところが、下記のように「GM Map」と表示されます。
これで、ドラムマップを使う準備ができました。
ドラムエディターを開く
次に、下記のようにMIDIイベントをダブルクリックして開きます。
そうすると、下記のように「ドラムエディター」というドラム打ち込み専用の画面が表示されます。
上記の様に、左側に音名があり、その隣に対応する楽器名が表示されています。
右側は、打ち込みをするところです。
ドラムエディターで打ち込む
ドラムエディターで打ち込みをするときは、上記の様に画面左上のツールの中から、ドラムスティックのアイコンをクリックします。
通常の打ち込みだと、鉛筆マークですが、ドラムエディターの場合はドラムスティックなのでご注意!
僕は最初、「どれでやるんだ?」とけっこう迷いました(笑)
次に、下記の枠内をクリックして、スナップをオンにしておきます。
こうしておくと、区切りのいいところで打ち込みができるようになります。
スナップがオフになっていると、中途半端なところで打ち込まれてしまうので、ご注意!
次に、スナップボタンの右隣の「クオンタイズボタン」をクリックします。「Q」と書かれているところです。
そうすると、下記のようにどの位の幅で打ち込みをしていくかが選べます。
ここでは、1/4としてみます。
この場合は、1小節を4分割して打ち込むという意味です。
自分が打ち込みをしたい間隔を、選びましょう。
通常の打ち込みでは、ノートには音の長さを指定することができます。
しかし、ドラムパートは打楽器がメインなので、長さというものがありません。
そのため、打ち込み時の設定でクオンタイズのみ設定ができるのです。
通常は、クオンタイズとノート長(音の長さ)を指定する必要があります。
あとは、通常と同じように打ち込んでいくことができます。
ドラムエディターの場合は、下記の様な赤いひし形マークのノートが表示されます。
通常の打ち込みの画面では、ノートは以下のような長方形です。
赤いひし形のノートをもう一度ノートをクリックすると、これを消すことができます。
ノートを消す場合、消しゴムツールもありますが、この方が便利です。
また、下記赤枠内の余白部分をクリックすると、ノートを打ち込まずにどんな音が鳴るか確かめることができます。
こちらも、必要に応じて使ってみてください。
便利な打ち込み方法
ドラムパートは、同じリズムで打ち込みをすることがとても多いです。
連続して同じ音を打ち込むときに、便利な方法があります。
ドラムスティックを選んだ状態で、上記のように、打ち込みを始めたいところでクリックします。
そして、クリックしたまま、右にスライドします。
そして、打ち込みを終えたいところで離します。
そうすると、打ち込みたい音だけ、クオンタイズで設定した間隔で、連続で打ち込んでくれます。
また、打ち込んだところに、同じ動作をすると逆に連続でノートを消すことができます。
これ、けっこう便利なので、是非使ってみてください!
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まとめ
ここまで説明してきたように、ドラムマップを使うと、とてもドラムパートの打ち込みがしやすくなります。
是非、試してください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。