ベテラン作曲家の先生程、自分の作品の評価が当てにならない理由

作曲やDTMのスクールに通っていると、自分が作った作品の評価を先生にしてもらう機会があると思います。

そのとき、適切な指摘やアドバイスをもらえればいいですが、思うようなアドバイスがもらえない場合もあります。

 

僕も以前、DTMのスクールに通っていたときに、自信作の曲を聴いてもらったことがあります。

そのとき、思うようなアドバイスがもらえず、自信が持てなくなったことがありました。

 

しかし、これまでの経験を振り返ってみて、ベテラン作曲家の先生ほど、作品の評価を上手く出来ない場合があることに気がつきました。

そこで今回は、その理由について詳しく説明します。

 

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基準が高すぎるから

ベテランの作曲家の先生は、それまでの人生の中で何百曲という作品を作っています。

そして、音楽の専門知識も豊富です。

そのため、ハイレベルな音楽を作ることができ、作品作りに対する拘りも強いです。

また、それまでの作曲や音楽経験により、耳が非常に肥えています。

これによって、「良い音楽」と判断する基準が非常に高いです。

場合によっては、一線で活躍しているメジャーアーティストの作品にすら、様々な指摘をすることもあります。

 

このような先生に、作曲を始めて間もない人が評価を求めても、良さを認めてもらうのは難しいです。

作品に対して点数をつける考え方は好きではありませんが、例えば自分の作品の出来が70点とします。

それに対し、ベテラン作曲家の先生が「良い」と思える基準は90点以上のようなイメージです。

そのため、先生の基準に対して大きな差があるため、認めてもらえず、自信を持てなくなってしまいます。

 

しかし、ここで押さえておくべき事実があります。

それは、音楽を聴いて楽しむのは、大多数が全く作曲経験のない一般の人であるということです。

ちょっと言い方は悪いですが、作曲が素人の人にとっては、しっかりと音楽作品が作れるだけで尊敬の対象になります。

 

なので、仮にあなたが作った作品が70点の出来だったとしても、一般の人にとって「良い」と思える基準は60点以上で、十分に評価してもらえる場合が多いです。

つまり、先生が「良い」と思うよりも、一般の人が思う基準の方が圧倒的に低いのです。

このため、先生には認めてもらえなくても、多くの人に作品の良さを認めてもらえ、ファンを増やしていくことは可能です。

 

実際に、以前僕がDTMスクールの講師の方に、自分が作ったロック系の曲を聴いてもらったことがありました。

僕は、すべての楽器を生演奏ではなく、パソコンで打ち込む形で作曲をしています。

先生からは、「ギターは打ち込みだと悟られないレベルにしなきゃダメだよ」と言われました。

正直、自分としては、それなりにクオリティを高めてきたつもりで、自信を持って作ったものでした。

そのように言われたため、「これではダメなのか」と思い、落胆してしまいました。

 

しかし、その後で、とあるミュージシャンの知り合いに同じ僕の作品を聴いてもらったところ、

「ギターの音がクオリティ高くて、自分で弾いてるのかと思ってました」

と言われました。

また、先生に聴いてもらったものと同じ曲を収録した音楽CDは、一般の方にちゃんと買ってもらうことができました。

このように、先生には認めてもらえなくても、ミュージシャンにすら評価してもらえ、作品を買ってもらえることができるのです。

 

そのため、もしあなたが自信を持った作った作品に対して、先生からあまりいい評価をもらえなかったら、是非身の回りの一般の方に聴いてもみてもらってください。

そして、その人に「よくこんなの作れるね、すごいね」とか「いいメロディだね」などと言ってもらえるとしたら、十分に自信を持っていいレベルであるということです。

 

もちろん、作曲の先生をうならせる程の高みを目指したい気持ちも分かります。

低いレベルで満足することも、僕はいいとは思いません。

権威のある人から、お墨付きをもらえると安心もできるでしょう。

 

しかし、せっかく一般の人に認めてもらえるほどの作品を作っているのに、高すぎる基準にうちひしがれて自信を無くしてしまうのは非常にもったいないです。

いい作品を作っていくためには、自信を持つこともとても大切だからです。

また、「もっともっと」と高いレベルを目指すのもいいですが、既にあなたが作った作品や歌で、多くの人を喜ばせることができるなら、インターネットなどでどんどん公開していけばいいのです。

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指摘が大雑把になりがちだから

ベテラン作曲家の先生の評価が適切ではない場合がある理由として、指摘が大雑把になりがちということもあります。

これは、作曲経験が10年、20年と長くなるほど、基本的な知識は知っていて当たり前という状態になるからです。これにより、基本的知識やテクニックに関する説明を省いた指摘になってしまうことが多いからです。

 

例えば、先程の僕の例でも、「ギターの音は打ち込みと悟られないように」とは言われましたが、具体的にどうすべきかということを教えてはもらえませんでした。

そのため、どうすれば改善できるのか、何がよくなかったのかが一切わからず、ただ困惑してしまいました。

 

また、以前僕の配信しているメールマガジンの、読者の方の作曲相談をさせていただいたとき、このようなお話を聞きました。

相談者の方は、僕と同じくDTMスクールに通われていたのですが、

自信を持って作った曲を先生に聴いてもらったところ、「もっとメロディアスに!」と言われたそうです。

「曲をメロディアスにする」という指摘は、非常に抽象的で、どう改善すればいいか分かりません。

 

おそらく、先生側としてはどうすれば良いか分かっていると思います。

しかし、それが当たり前になりすぎていて、改めて言うほどのことではないという感じなのだと思います。

ですが、生徒側としては指摘に対してどうすればいいのか分かりません。

そこをこそ、具体的に知りたいのです。

 

このため、自分の作品の改善点を具体的に知りたい場合、自分より少し先輩の人に意見を求めるといいです。

数年程度の経験差であれば、先輩としてもうまく作曲できなかったときのことをよく覚えています。

そのため、どうやって作品を改善してきたか、ベテランの先生より具体的に教えてもらえる可能性が高いです。

 

例えば、先程の「もっとメロディアスに」という指摘ではなく、「ここの音符をこれ位高さを上げると、印象的なメロディになるよ」という具合です。

これくらいに具体的に指摘してもらえれば、非常に作品を改善しやすくなります。

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経験差がありすぎて、気持ちを共感しにくいから

先生の立っている場所は、自分よりずっと遠く、高い所

また、ベテラン作曲家の先生は、自分がうまく作曲できなかったときのことは何十年も前のことです。このため、当時の気持ちはほとんど覚えていません。

現在の心境は、バリバリの知識とテクニックを身に付けて、作曲できる状態です。

このため、上手く作曲できない人に対して、「なんで出来ないんだ?」という気持ちになってしまいがちです。

このように、経験差が開いているため、困っている自分の気持ちを共感してもらいにくくなってしまいます。

こうなると、積極的に相談をしにくくなってしまいます。

 

そのため、このような場合も、自分よりちょっと先輩に聞くといいです。

このような方は「そうそう、自分もついこないだまで上手くいかなくてね。気持ちわかるよ。」

と思ってもらいやすいです。

このような方に自分の作品の評価や、改善点を求める方が、ずっと気楽でいることができます。

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まとめ

ここまで説明してきたように、ベテラン作曲家の先生ほど、かえって作品に対する適切な評価が出来ない場合があります。

そのため、今回ご紹介したように、一般の方や自分よりちょっと先輩の人に作品を聴いてもらうといいです。

是非、試してください。

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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