社会人になると給料をもらえて、趣味や習い事にお金を使うことがあると思います。
実家暮らしだと特にお金にゆとりがあるため、作曲に興味を持っている方なら、「DTMを始めよう!」「オリジナル曲を作ろう!」と思って、意気揚々とDTMスクールに申し込む方もあると思います。
それ自体はとても良いことなのですが、特にお金にゆとりがあると、十分に検討しない状態で高額のスクール費を支払ってしまい、後で手痛い思いをしてしまいケースがよくあります。
かくゆう僕自身も手痛い経験をしました。
そこで今回は、僕の経験を踏まえて社会人の方がDTMスクール選びを間違えず、楽しくDTM生活を始めるための超大切な3つのポイントを説明します。
日々働いて稼いだ貴重なお金を無駄にしないためにも、是非取り入れてください。
もくじ
いきなり大金を注ぎ込まない
まず、大前提として抑えておいて欲しいことは、「いきなり大金を注ぎ込まない」ということです。
用心深い人や倹約家の方なら大丈夫と思いますが、お金に余裕があったり、「この人、このスクールなら大丈夫だろう」と信じている状態だと、むしろ高いお金を払うことで大きなリターンが得られると思ってしまいがちです。
もちろん、十分に考えた上でなら問題ないのですが、実は検討する上で、「自分は大丈夫」と思っていても、間違った考え方をしているために、スクール選びを見誤ってしまう可能性があるのです。
僕自身、後述する間違った考えを持っていたために、数十万単位でお金を支払い、結果有効に活用できたお金は体感で数万円程度という非常に手痛い経験をしてしまいました。
なので、「自分は大丈夫」と過信せず、敢えてこれからお伝えする内容を踏まえてよく考えてください。
DTMスクール選びの超大切な3つのポイント
講師との相性は良いか
DTMスクール選びで大切なこととして、自分と講師との相性が良いかどうかをよく見る必要があります。
これが合っていないと、どんなに高尚なことを習っても全然頭に入ってこない、ピンとこない、オリジナル曲が上手く作れないという悲惨な結果になってしまうからです。
前提として抑えておくべき考え方として、「作曲の仕方は人それぞれ異なる」ということをよく意識しておいてください。
例えば…
・楽器を演奏せず、全部パソコンの打ち込みで作りたい
・ギターやピアノの弾き語りをしている人がDTMでギター以外の伴奏を追加したい
・メロディ→歌詞の順に作りたい、またはその逆
・歌ものじゃなくて、インスト曲(伴奏のみ)の曲を作りたい
・スタイリッシュな音を繋ぎ合わせてカッコいいEDM(クラブミュージックの一種)を作りたい
などなど…楽器を演奏するか、好きな曲や作りたい曲のジャンルは何か、また作曲者の性格などによって千差万別、曲作りの方法は違ってきます。
このため、講師の教える作曲方法や、講師の性格をよく見て、講師の指導で上手くオリジナル曲を作っていけるか十分に判断する必要があります。
このとき、気をつけて置きたい間違った考え方を以下で説明します。
「有名な人なら良い」わけではない
DTMスクールの触れ込みでよくあるのが、「人気の書籍を書いた人」「YouTubeやTwitterなどでバズった人」「人気アーティストや人気ゲームに曲を提供している人」などで講師を紹介するというものです。
こういうことが書いてあると、「この人なら大丈夫だ」と、ついつい安心してしまうと思います。
ですが、先程説明した通り、作曲を習うにあたっては講師との相性が良くないと意味がありません。
作曲は、作る人それぞれの個性や「癖」が反映されるからこそ、自分以外の人は作れない、世界に一つだけのオリジナル曲が生まれます。
そのため、自分のやりたいこと・作りたい曲を受け止め、理解してくれるような講師だったり、気が合う講師だったりしなければオリジナル曲作りは思うように進みません。
自分と講師との相性を考える上で、講師が有名であるかどうかは実は一切関係無いんですよね。
その人が沢山の人に知られているからと言って、自分と相性が良くなることになるでしょうか?
むしろ、沢山の人に知られることによって、多くの人の需要に答えるために、教え方はより一般的、普遍的で、誰にでも通用する癖の無い教え方になっていきがちです。
それこそ、一人一人の細かい癖や考え方に対応していたらキリがありません。
なので、講師が有名だからといって安易に信頼してはいけません。
僕も、20年以上前から大好きでプレイしてきた大人気音楽ゲームに楽曲提供したことがある人や、そのゲームのサウンドプロデューサーで活躍しているような、その界隈では超有名な人が講師をしているスクールで習った経験があります。
当時「音楽を仕事にするぞ!」と強く意気込んでいたこともあり、「ここなら大丈夫」と思って、今思えば安易に数十万円の受講料を払ってしまいました…。
しかし、実際にそこで習って役立ったことは、誰にでも当てはまるような作曲ノウハウや知識だけでした。もちろん、ためになったことはあるのですが、かけたお金ほどのリターンを得られた感じが全然しなかったんです。
このように、「有名な人、人気の人だから大丈夫」と安易に考えないようにしてください。
「良い曲を作る人なら良い」わけではない
もう1つ、よく頭に入れておくべき、陥りがちな考え方をお伝えします。
それは、「良い曲を作る人なら、上手に教えてくれるはずだ」というものです。
この考えがある場合は、今すぐ脳内のシュレッダーにかけて捨ててください。
現実は、「良い曲を作ることと、教え方の上手さは全く無関係」です。
なぜなら、「作曲」と「作曲を教えること」は、同じ音楽のジャンルと言えど、それぞれ全く別のスキルを必要とするからです。
僕も以前は、「こんなにカッコいい曲を作る人に教えてもらえるのは超テンション上がる!」とワクワクしていました。
実際、僕が大好きな音楽ゲームで何度もプレイしてきた曲の作曲者にスクールで教えてもらえる機会があり、すごく期待していましました。
しかし、実際はやはり相性が合わなくて、習ったことを全然自分のオリジナル曲に活かせなかったんです。
講師側は、より多くの人に受け入れてもらえるような、綺麗で粗のない曲作りの方法を説明していました。
しかし、僕は自分が表現したいものを、イメージ通りに作る方法が知りたかったのです。
そこに大きな隔たりがあり、次第に授業を受けるたびに、自分に合ってない内容を聞くことになり毎回頭痛に見舞われる事態になってしまいました。
このように、いかにカッコいい曲、良い曲を作れる人であっても、作曲に対する教え方が自分に合っているとは限らないのです。
むしろ、すごい曲を作れる人ほど、初心者の頃が遠い昔になっていて、うまく作れなかった頃のことを忘れてしまいます。
このため、良い指導者になる上で不可欠である、初心者の気持ちを想像したり理解したりする能力が低くなってしまう場合すらあります。
これは、学校の授業で分からないことを聞くときのことを考えると分かりやすいです。
圧倒的に知識のある先生よりも、クラスの中でちょっと頭の良い人に聞くほうが、上手に教えてもらえることってありますよね。
これは、クラスメイトの方が自分に年齢も近く、身近に接してもらえて、相手も最近同じところでつまづいたことがあったりするからなんですね。
もし、スーパー天才のクラスメイトだったり、学者レベルで頭のいい人が先生になると、「なんでこれが判らないの?自分は理解できなかったことはない」ってなっちゃいますからね。
作曲を教えてもらうときも同じで、すごい曲を作れるからといって上手に教えてもらえるとは限りません。
天才肌の人ほど、「メロディが空から降ってきた」って感じで、そもそも当人がどうやって曲を作れるようになったか理解していたり、説明したりできないこともあります。
講師自身が良い曲を作れることに越したことはありませんが、習うならむしろ上手に教えられるかどうかを重視してください。
求める内容が学べるか
DTMスクールを選ぶ上で次に大切なことは、自分が求める内容が学べるかどうかです。
そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれません。しかし、ネットで検索してみれば分かりますが、スクールのコース内容の説明が「プロレベルのクオリティで曲を作るレッスン」「あなたの希望に沿ったレッスン」など、かなり抽象的で曖昧な説明しかしていない場合が多いです。
詳しいレッスン内容を知るのはレッスン料金を払った後にならないよう、できる限り体験レッスンなどで学べるか内容がどんなものか確認し、自分の求めるものとマッチしているか見極めるようにしてください。
最初にお伝えした講師との相性と被ることでもありますが、講師の考え方によってレッスン内容は全く変わってきます。
より普遍的で聴きやすい音楽を作るのか、売れる曲(ヒット曲)を作るのか、感性重視で自由に曲を作るのか、講師それぞれの考え方によってレッスン方針や内容が変わります。
僕の場合、もともと感覚的に曲を作っていたのですが、音楽のプロを目指すにあたり漠然と「曲のクオリティを上げたい」という目的でDTMスクールで学び始めました。
当時習っていた講師は、音楽理論を中心に理詰めでメロディや和音を決めていくスタイルだったため、感覚で気ままに作っていく僕のスタイルとはマッチしませんでした。
そのため、習った内容をなかなか自分のオリジナル曲に落とし込んでいくことができなかったのです。
このように、まずは自分がどんな風に曲を作っていきたいのかを確認し、それに見合った内容のレッスンや授業を受けられるか見極めるようにしてください。
制作環境は合っているか
スクール選びで超大切な3つ目のポイントは、制作環境が自分に合っているかということです。
DTMはパソコンで行うものですが、OSや作曲ソフトによって細かな操作方法やできることが微妙に変わってきます。
OSとはオペレーティングシステムの略で、人間がコンピュータを動かすシステムのことです。
スマホであれば、AndroidやiOS、パソコンであればWindowsやMacOSなどがあります。
ざっくりパソコンの種類と思ってもらえたら大丈夫です。
作曲ソフトも色々あって、代表的なものは僕も使っているCubaseやLogic、Studio Oneなど、多くの種類があります。
まだDTM環境を準備されていない方は、自分にマッチする環境を先に作るか、もしくは自分がいいと思った講師やスクールに合わせて環境を作るといいです。
既に自分の環境ができている方は、講師やスクールのレッスンや授業がこちらの環境に対応しているのか必ず確認してください。
もし、これがマッチしていないと、パソコン操作を教えてもらっても意味をなさなくなってしまいます。
Androidスマホを持って、iPhone限定のスマホ教室に行くとしたらどうでしょうか?まじで意味無いですよね。
これは僕の体験談になりますが、以前僕が通っていたスクールでは、はじめはどんな作曲環境でも対応可能なカリキュラムになっていました。僕はWindows使いなのですが、最初は問題なく受講できていたんですね。
しかし、途中から、僕が最も受けたかった授業が、講師が使っているMacOSのLogicという作曲ソフト限定のカリキュラムになってしまったんですね。
そのときは既に「マスターコース」のような感じで、数十万円を支払い済みでした。また僕自身、すでにWindows環境で作曲ソフトや追加で多くのソフト音源を購入済で、何年も同じ環境を使っていました。そのため、今更10万円以上かけてMacパソコンとLogicを買い直す気になれませんでした。
本当に当時はガッカリ✕10くらいの気持ちでしたね…。
そんな感じで、スクールに入った後で環境が合わなくなる可能性もあるので、このあたりはよく確認しておいた方がいいです。
また、特にDTMに関しては、パソコンに慣れていない場合最初の環境づくりや設定、その後のパソコン操作でつまづいてしまいがちです。
パソコン操作が苦手な人の立場になって、やさしく教えてくれる講師なのかどうかも、スクール選びでは意識しておくといいです。
失うのはお金だけではない
最後に当時を振り返って思うのは、よく吟味しないでお金を注ぎ込むと、失うのはお金だけではないということです。
僕がスクールに入っていたときは、自宅から1時間以上かけて都内の教室に通っていました。
そして1時間以上の講座を受けて、合っていない内容のため途中で頭痛になるという…
既に大金を払ってしまっている以上、何とかして元を取ろうという気持ちになっていたんですね。
でもそれが裏目に出て、スクールに通う時間や、講義の時間や、自分の体調をも犠牲にしてしまっていたように思います。
このようなことにあなたはなってもらいたくないので、是非とも今回紹介した3つのポイントを踏まえて、悔いのないスクール選びをしてください。
まとめ
ここまで説明してきたように、社会人がDTMスクールを選ぶにあたっては、
・講師との相性は合っているか
・求める内容は学べるか
・制作環境は合っているか
以上3 つのポイントを踏まえ、しっかりと吟味して決めてください。
最後になりますが、僕は音楽制作の趣味が高じて、現在はオンラインでDTMスクールを運営しています。
僕自身、特に楽器演奏経験や、専門的な音楽知識がない中で、楽しみながら音楽制作をしてきた経験を活かし、自分の感性を活かして曲作りをする方法を解説しています。
もし、ご興味がありましたら、パソコン1つで自分好みの曲を自在に作る方法を15回の無料の動画レッスンで解説していますので、是非見てください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
