大学院は大変?理系の研究は楽しい?何をするか知りたい方へ

皆さんは、大学院と聞くとどのようなイメージがありますか?

 

「大学はなんとなくわかるけど、大学院はよくわからない。」

「何やら難しいことをして、大変そう。」

などと、思われる方は多いと思います。

 

僕は理系の大学院に行ったことがあるのですが、はじめは何をするのところなのかよくわかりませんでした。

 

しかし、実際に大学院に進学して思ったのは、本当に楽しくて有意義なところだということです。

 

そこで今回は、大学院はどんなところで何をするのかや、その面白さについて説明します。

 

大学院は、大学の研究を深めるところ

まず、研究内容についてですが、主に2つのパターンがあります。

 

1つは、所属している研究室や教授が行っている研究を行うパターンです。

 

この場合、かなり高度な技術や知識に触れることができます。

また、大がかりな機材を使用できることもあります。

 

自分は情報関係の大学院に行ったのですが、僕の友人はMRIを使った研究を行っていました。

MRIとは、病院で使用される、脳の内部など通常は見られないところを映すことができる機械のことです。

このように、普段の生活ではまずできない、貴重な体験ができることがあります。

 

もう1つのパターンは、自分で自由にテーマを決めて研究を行うものです。

こちらの場合、かなり自由に自分のやりたいことができるのが特徴です。

僕は、こちらのパターンで研究を行いました。

 

自由にテーマが決められるので、多種多様な研究が生まれます。

僕の研究室の後輩で研究で面白かったのは、自分の好きな音楽CDのジャケットに似たCDを自動でオススメしてくれるシステムの研究です。

 

CDショップに行ったとき、CDの中身の音楽を聴かずに、ジャケットの見た目で買う方法を「ジャケ買い」といいます。

 

僕の後輩は、このジャケ買いをインターネットでも出来るようになったら面白いと思いました。

そして、似たジャケットの作品を勧めてくれるシステムを考案したのです。

 

こういった研究は、大学4年生のときに卒業研究として行うことが出来ます。

しかし、大学で研究が出来る期間は長くて1年程度。

そのため、もう少し踏み込んで研究したいと思ったところで卒業となってしまいます。

 

そのため、さらに踏み込んで2年間、大学院で研究を深めるのです。

 

自由な時間がとても多い
大学院では、講義を受けて学習をするより、自らテーマを決めて自発的に研究することに重きがおかれています。

 

そのため大学院は大学と違って、取得すべき単位や、講義を受ける時間が少ないです。

「単位」とは、大学や大学院を卒業するために、必要な学習時間のことです。

 

このため、大学以上に自由な時間を研究活動にあてることができます。

実質2年間、ほぼ丸々研究に当てられる感じです。

 

プロポーザル

大学院は、通常2年間の「修士課程(しゅうしかてい)」を行う場合がほとんどです。

「修士課程」では、大学4年間の「学士過程(がくしかてい)」の研究をさらに深めるものとして、2年間追加で実施されます。

(将来研究職につく場合、さらに長い期間在籍する「博士課程」というものもあります。)

 

このため、2年間の期間をいかに無駄なく研究に費やすことができるかが重要となります。

 

僕の研究室では、3人の教授の前で、自分がこれから行う研究テーマについて発表する「プロポーザル」を行っていました。

「プロポーザル(Proposal)」とは「企画・提案」という意味です。

このプロポーザルで、きちんとした研究内容と計画を発表し、教授からOKをもらった上で研究を始めることができます。

これによって、2年間の大学院の期間が最大限に活かされます。

 

このプロポーザルでは、主に以下の内容について研究内容をチェックされます。

・新規性があるか

・2年間で行える内容か

・社会的に意味のあるものか

 

「新規性」とは、研究内容の新しさのことです。

研究というものは、既に知られている理論や事実について行うのでは意味がありません。

調査・研究の結果、新しい事実や利益があるものでないといけないのです。

 

また、2年間できちんと成果が出せる内容・計画でなければいけません。

 

そして、その研究が、社会に対してどのような意義があるか明確になっていなければいけません。

単に独りよがりの内容になっては、意味がないからです。

 

これらの内容について、3人の教授に厳しくチェックされるので、ものすごく緊張しました。

研究生の中には、何度もやり直しをすることになる人もいました。

 

僕の研究内容

僕が大学院で行った研究は、画像に情報を埋め込んだり、印刷した紙から埋め込んだりした情報を読み込むものです。

 

「QRコード」というものを知っていますか?

QRコードは、単一色の四角いバーコードのようなものです(下記参照)。

QRコード

QRコードは、スマホなどのカメラで撮影すると、インターネットのサイトのアドレスなどを読み込むことができます。

 

僕は、このQRコードがちょっと殺風景だなと思いました。

そこで、この淡白な画像を、ロゴマークのような自分の好きな画像にできる技術を考えて、それを実現するための研究を行いました。

僕が考案した方法で、情報を埋め込んだ画像

情報を埋め込む方法や、それを読み取る方法は、全て自分で考えてプログラムを作りました。

 

誰もやっていないことを自分で考えて、実験を繰り返す…

もちろん、上手くいかないこともあります。

 

しかし、失敗を重ねながら、少しずつ方法を改良していくのです。

このように自ら考えつづけ、工夫を重ねていく2年間は、とても楽しかったです。

 

研究発表

大学院の醍醐味は、他にも研究発表というものがあります。

 

研究内容にある程度成果が出てくると、教授から研究発表することを勧められます。

研究発表とは、大学や大学院で行った研究成果を、多くの人の前でプレゼンテーションするものです。

その中で、学生や教授から質問を受けたり、アドバイスをもらったりできます、

研究発表は、より良い研究に向けたステップアップの場となります。

 

また、場合によっては国際会議の場で、英語の発表をすることもあります。

僕は、国内と国外で研究発表をさせてもらうことが出来ました。

 

特に国際会議では、英語での発表になるのでとても苦労しました。

そのときに、教授にあるアドバイスしてもらったのが印象的でした。

 

「外国人からの質問が良く分からなかったら、こう言いなさい。

「Please speak in easy-English slowly.」(すみませんが、簡単な英語で、ゆっくり話してもらえますか)」

 

「なるほど、こう言っておけばきっと大丈夫なはずだ!」

そんな風に考えていた僕でしたが、ある国際会議でイタリア人の学生から猛スピードの英語の質問をまくしたてられてしまいました。

すさまじいスピードに質問に、全くついていけず、ちょっとパニックに…。

 

結局、そのときはその場にいた担当教授に助け舟を借りて、何とかなりました。

 

どんな力が身に付くか

大学院で研究に励むと、新しいことを考える力や、自分で調べたり物事の原因を探ったりする力を身につけることができます。

 

また、多くの研究発表をする中で、人前でプレゼンテーションをする力を身につけることができます。

 

僕は、大学院で多くの研究発表をする中で、かなりプレゼンテーションが得意になりました。

また、多くの人の前での発表も、あまり緊張しないようになったのです。

 

さらに、研究レポートや論文を多数書いたことから、物事を考えて文章にまとめる力がつきました。

この記事含め、僕のサイトの記事を作っていくうえで、その経験やとても役立ちました。

 

まとめ

ここまで説明してきたように、大学院での研究生活は様々な経験が出来るのとともに、他に替えがたい貴重な時間を過ごすことができます。

 

自分が興味を持っている分野があれば、それが研究できる研究室を探して、大学や大学院を探してみるといいと思います。

やりたいことができる場所があれば、最高に楽しい時間を過ごすことができます。

是非、考えてみてください。

 

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ご興味があれば、こちらも是非のぞいてみてくださいね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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