パソコンで作曲を行うDTMにおいて、ボーカル等の音を彩るエフェクトとしてディレイがあります。
エフェクトは、音に様々な効果をつけて加工するものです。
その中でディレイは、いわゆる「やまびこ」効果を作ることができるものです。
ディレイはボーカルを始めとして、ギターなど様々な楽器に使用できます。
ただ、どんな風に使うといいのか、最初はよく分からないと思います。
僕も、最初はディレイによってどんな効果が得られるのか、よくわかりませんでした。
しかし、これまで作品作りをする中、実際にディレイを使ってみて、その効果がよく分かるようになりました。
そこで今回は、ディレイとはどういうものか、またその活用方法について説明します。
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ディレイとは?
ディレイ(delay)とは、日本語で「遅延」を意味します。
ディレイは、元々の音に対して、遅れて聴こえてくる「遅延音(ちえんおん)」を付加することができるエフェクトです。
これは、やまびこの効果と言えます。
やまびこは、山に登ったとき「ヤッホー!」と叫んだら、遠くの山から跳ね返った声が、遅れて「ヤッホー!」と聴こえてくる現象です。
このように、ディレイでは、離れた場所にある壁などからの跳ね返ってきた音を再現できます。
これによって、「奥行き」を表現することができます。
また音は、空気中を進む間に、段々音が小さくなっていきます。
このため、跳ね返った音は元の音より小さくなります。
ディレイも同様に、遅延音は元の音より小さくなります。
なので、ディレイは元の音の音量を小さくしたものを、時間をずらしてもう1回鳴らす機能とも言えます。
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ディレイのパラメータ
以下、ディレイのかかり具合を調整する、代表的な2つのパラメータを説明します。
Delay
Delayは、遅延音が聴こえてくるまでの時間を表します。
ディレイのパラメータでDelayだと、ちょっと混乱しますよね。
パラメータに関しては、区別のためアルファベットで記載します。
壁などからの跳ね返ってくる音は、壁との距離が遠いほど、より遅れて聴こえてきます。
Delayを調整することによって、この遅延時間を調節することができます。
これによって、壁との距離を調整でき、自分が表現したい空間や雰囲気を再現することができます。
このパラメータは通常、分数で表現されます。
例えば、「1/4」というDelayが設定されている場合は、「1小節の、4分の1の時間遅れて、遅延音がやってきます。」という意味です。
1小節は、4拍子の曲なら4拍のリズムが入る長さです。
そのため、「1/4」なら、1拍分タイミングが遅れて音が鳴ります。
ただし、同じ「1/4」の時間でも、曲のテンポが速い程、時間が短くなります。
速い曲ほど、1拍の時間が短いからです。
また、分数ではなく、1000分の1秒である「ミリ秒」を使って遅延音が鳴るタイミングを調整することができます。
十分な遅延時間があると、遅延音は元の音と区別して聴こえるため「やまびこ」の様に聴こえます。
しかし、Delayをミリ秒を使ってかなり短い時間にすると、元の音と遅延音の区別がつかなくなります。
こうなると、やまびこには聴こえず、声に厚みがかかったような感じになります。
1人で歌っていたとしても声が重なって、まるで2人で歌っているような太い声にできるのです。
Feedback(フィードバック)
Feedbackは、「back(戻り)」を「feed(与える)」ということです。
ディレイによって作られた遅延音は、さらにディレイにかけることができます。
Feedbackは、遅延音をどれくらいディレイにかけ直すかを表す数値です。
Feedbackが小さければ、
ヤッホー! ヤッホー!
という感じで、すぐ遅延音が止みます。
一方、Feedbackを大きくすると、
ヤッホー! ヤッホー! ヤッホー! ヤッホー!
という感じで、遅延音をより長く持続させることができます。
僕が使ってみた感じでは、Feedbackを長くすると、より深みのある空間を再現したり、孤独感を表現したりできるなと思いました。
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ディレイの種類
作曲ソフトによりますが、ディレイには主に以下の種類があります。
モノラルディレイ
モノラルディレイは、最も基本的なものです。
モノラルなので、左右の2チャンネルから、同じ遅延音が聴こえます。
そのため、左右で遅延音に違いはありません。
左右の広がりは特に必要なく、奥行きの表現だけで良い場合は、モノラルディレイを使えば問題ありません。
ステレオディレイ
スレレオディレイは、モノラルディレイに対して、左右で異なる遅延音をつくることができます。
これによって、横方向の広がりを演出することができます。
ボーカルにステレオディレイをかけると、奥行きと左右でかなり広がりのある音にすることができます。
ピンポンディレイ
ピンポンディレイは、ステレオディレイ同様、左右の広がりを作ることができるものです。
ただし、ステレオディレイと違って、左右別々のディレイを設定する必要はありません。
ピンポンディレイが、勝手に左右の広がりを作ってくれます。
そのため、ステレオディレイより、初心者向きのエフェクトと言えます。
「ピンポン」とは、卓球のことです。
卓球って、2人のプレーヤーがラケットで球を打ち合いますよね。
2人の間で、球が行ったり、来たりします。
ピンポンディレイも同じように、遅延音が左右で行ったり、来たりします。
これによって、左右の広がりを演出することができます。
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まとめ
ここまで説明したように、ディレイを使うと奥行きを表現したり、声に厚みを持たせたりすることができます。
また、スレレオディレイやピンポンディレイを使えば、左右の広がりも表現できます。
是非、実際に使ってみて、自分の思い描いた音を作ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
