耳で音楽を聴いて、作曲ソフトなどで再現する耳コピー、通称「耳コピ」。
これができると、音感やリズム感を高めたり、作曲能力の基礎が身についたりと様々なメリットがあります。
しかし、「耳コピができるには、絶対音感が必要なのでは無いか」と思われている人はいると思います。
ですが、僕が実際に耳コピをやってみて、絶対音感は無くても問題なくできることが分かりました。
そして、本当に必要なのは相対音感であることが分かりました。
そこで今回は、絶対音感や相対音感が何なのか、なぜそのように言えるのか、説明します。
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絶対音感とは?
耳コピをするには、絶対音感はなぜ必要ないのでしょうか。
それを理解するには、絶対音感というものが何なのか改めて知っておく必要があります。
絶対音感は、ある音を聴いたとき、その音名を他に比較する音なしに言い当てることができる能力のことです。
音名は、「ドレミファソラシド」の「ド」とか「レ」のことです。
絶対音感がある人は、例えば「ド」の音を聴いただけで、それが「ド」だと分かります。
しかし、多くの人は、他に比較する音が無いと、それが「ド」だと分かりません。
普通は、もう1つ別の「ド」の音を鳴らして、それより低いか、同じ位か、高いかで音名を判断します。
音は目に見えないものなので、ちょっと分かりにくいですね。
目に見えるもので考えると、絶対音感を持っている人の感じが分かります。
例えば、木の棒があるとします。
その木の棒の長さが何cmか、普通見ただけでは分からないですよね?
大方の長さは分かるかもしれません。しかし、正確な長さを言い当てるのは難しいです。
そこで、正確な長さを知るために、多くの人は「メジャー」を使います。
例えば、木の棒が20cmだとします。
その場合、木の棒と同じ長さの分メジャーを伸ばし、その目盛りの20cmを見てようやく長さが分かります。
木の棒の長さをみるために、「メジャー」という、木の棒と比較するものを使うわけです。
このとき、木の棒とメジャーの長さを比べて「同じ長さだ」と判断して、メジャーの目盛りを見ます。
しかし、木の棒を見ただけで、正確に「20cmだね」と即座に言い当てられたら、けっこうすごいですよね。
なかなか、そういう人はいないと思います。
絶対音感がある人は、そんな感じです。
あらゆる音を聴いたら即座に音の高さを感じ取り、「ドだね」とか、「ファだね」という感じで音名を言い当てることができるのです。
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耳コピは何をする?
それでは、耳コピは何をやっているのかというと、自分が聴いたメロディをその通りに作曲ソフトで再現します。
このとき、例えば「ド」の音を聴いたら、「ド」と作曲ソフトに打ち込んでいけばいいです。
絶対音感があれば、もちろん即座に音名が分かるので、作業は早いです。
しかし、例えば作曲ソフトで「ド」の音を出したらどうでしょうか?
耳コピするために、自分が聴いた「ド」の音と、作曲ソフトで鳴らした「ド」の音を聴き比べるのです。
このとき、多くの人は、2つの音を比べて「同じくらいの高さだな」と感じることができます。
ここでもし、間違えて作曲ソフトで、「ファ」の音を出したら、「うーん、ちょっとファだと高すぎるな」と判断できます。
そして、それより低い音を探すことができます。
逆に、作曲ソフトで、自分が聴いた音より低い音を出したら、より高い音を選ぶことができます。
木の棒の例の時、メジャーを使いましたよね。
作曲ソフトで音名を選んで鳴らすのが、メジャーを使うのと同じ感じです。
木の棒の長さをみるときは、メジャーを長くしたり、短くしたりして、木の棒と同じ長さにしました。
同じように、作曲ソフトで、高い音や低い音を鳴らして、聴いた音と同じ高さを見つけていくのです。
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耳コピできる人は、相対音感を鍛えている
このように、耳コピをするときは、自分の聴いた音と、作曲ソフトで鳴らす音の高さを比較して「同じ位の高さだ」と判断できればいいです。
そうすれば、最終的に、自分が聴いたメロディと同じものを作曲ソフトで再現できます。
このように、自分が聴いた音と作曲ソフトで鳴らした音など、2つの音の高さを比較できる能力のことを「相対音感(そうたいおんかん)」といいます。
相対音感は、絶対音感のように、自分が聴いた音について、具合的に音名を言い当てることはできません。
しかし、ある音と比較して、もう1つの音の高さが低いか、同じくらいか、高いかを判断することができます。
このような相対音感を鍛えることで、耳コピを可能にすることができます。
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相対音感は、誰もが持っている
相対音感というと、何やら特別な能力のように思われるかもしれません。
しかし、実はほとんどの人は、赤ちゃんのころから成長するに従って、相対音感を身に付けています。
これは、言葉によるコミュニケーションをするときのことを考えると分かります。
私たちは、感情が高ぶったときなど、自分の気持ちをより相手に伝えたいと思ったとき、話す言葉の高さが変わります。
(声の大きさも変わりますが、ここでは相対音感の説明をするのでそこは割愛します)
すごくシンプルな例では、何か嬉しいことがあったとき、「やったーーー!!!」と言いますよね?
このとき、「やっ」という声より、「たーーー!!!」という声の方が音が高くなります。
これによって、激しい感情の高まりを表現します。
また、誰かがそのように言っていたら、「めっちゃテンション高まってんな~」と思うでしょう。
私たちがこのようなコミュニケーションができるのは、相対音感が養われているからです。
もし、そうでなければ、音の高さが変わっていくのを感じとることができません。
さっきの「やったーーー!!!」の例で言えば、「やっ」という声と、「たーーー!!!」という声の2つの音の高さを比較できません。
違いがよく分からない状態といってもいいでしょう。
そうなると、まるでロボットのように、一定の音の高さで「ヤッターーー」という感じに聴こえてしまいます。
また、自分でもそう話すことしかできなくなります。
でも、実際はそうなっていませんよね。
これは、私たちが赤ちゃんのころから、周りの人の声や話し方を聴いて、「感情表現をするときは、声の高さが変わるんだな」と理解するからです。
そして、それに伴って相対音感が作られていきます。
耳コピをするときは、音名の高さの違いを聞き分ける必要があります。
これは、普段の会話ではやっていないことなので、ある程度練習が必要です。
しかし、多くの人はすでに相対音感をもっています。
ですから、その延長として、耳コピをやれば、それに必要な相対音感を磨くことができます。
これによって、耳コピも問題無くできるようになるのです。
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まとめ
ここまで説明してきたように、絶対音感が無くても耳コピをすることができます。
耳コピをするために必要な相対音感は、多くの人が身に付けているからです。
是非、耳コピにチャレンジしてみてください。
耳コピに関する記事は、他にも以下に書いていますので、是非、参考にしてみて下さい。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。